アグリカルチャーコンペティション第4回(2020) 共同宣言

2020/12/1

注)プレスリリースにおいては、共同宣言名を「明日の日本のために日本の農業を変える」として発表致しましたが、「食と農、私たちにできること、私たちからの提案」に変更致しました。内容の変更はございません。


アグリカルチャーコンペティション第4回(2020) 参加学生 
共同宣言

「食と農、私たちにできること、私たちからの提案」

農林水産省の発表によると、日本のカロリーベースの食料自給率(2019年度)は38%で、長期的には低下傾向にあります。世界に目を向けると、「自国第一主義」が台頭し、世界人口増加と天災等により食料の入手競争が一層厳しくなりつつあります。また、世界では多くの人々が飢餓に直面している現状があります。こうした現状を踏まえて、私たちアグリカルチャーコンペティションに参加した学生は、私たちにできること、社会への提案に分け、食料問題と農業問題に関して、共同宣言を行います。

【私たちにできること】

私たちは、自分自身でできる日々の身近なことから、食と農に対する行動を始めます。

1.私たちは、アグリカルチャーコンペティションを通じて、日本が抱えている食料問題や農業問題(以下食料問題等)について学ぶ機会を得ました。しかし、多くの人が、厳しい食料問題等に対して、現状を理解せず、あるいは目を背けているのではないでしょうか。これら問題を解決していくためには、今回、私たちが学んだことを広く社会に伝え、理解してもらう必要があると考えます。私たちは、家族、友人、先輩、後輩等に、食料や農業に関する正しい情報を伝えたり、SNS等で情報発信を行ったりすることで、多くの人たちに問題意識をもってもらえるように努めます。

2.消費者庁によると、日本では、年間2,550万トンもの食品廃棄物等が出され、このうち食べられるにも関わらず廃棄される食品ロスも612万トン(2017年度推計)にも達しています。一方で世界では11人に1人がいまだに十分な食料を食べることができない現実がありますが、日本の食品廃棄物量は、世界の食料援助量を上回っているのです。一見、食品ロスと食料問題は、別問題のように感じますが、「世界の食料は有限であり、無駄にしてはならない」という点から共通点があると考えます。しかし、私たち学生が、国連WFP(World Food Programme)と同じように直接的な支援で貢献することは困難です。そこで、私たちは、世界中に食料が公平に分配されることを願い、また食料の生産者に感謝を示すために、毎日の生活の中で、食品ロス削減に努めます。

3.私たちは、日本の農畜産物の安全、安心、新鮮、美味しいという価値を評価しなくてはなりません。日本の農業を守るために私たちができる行動は、海外産の農産物を購入するのではなく、安心・安全な国産の農産物を評価し購入する事です。私たちは、日本の農業を成長させるという視点を持ち、日本の農畜産物に適正な対価を支払います。

【社会への提案】

カロリーベースの食料自給率の低下に対して、新規就農者増加、農業経営の近代化により、農業生産高の大幅向上を図ることが不可欠です。既に様々な施策が講じられていますが、十分な成果が得られていない現状を鑑み、4つの提案を致します。

1.「アグリテック」「スマート農業」が叫ばれていますが、農業のICT(Information & Communication Technology)化が進んでいません。この結果、若者の農業に対するイメージの低下を招いています。海外ではドローンやビッグデータを用いた先進的な取り組みが成果をあげていますが、日本では、ICT農業が緒に就いたばかりで、世界各国から遅れをとっています。ICT農業は、収量増加や品質向上のみならず、農業で大きな課題である人手不足の解消にもつながります。私たちは、当面は投資経済性を無視しても、公的資金も投入し、農業のICT化を急速に普及させるべきと考えます。

2.私たちは、農業経営の主体を個人である農家から法人に大胆に転換し、新規就農の多様化進めるべきと考えます。農家の子弟ではない者が新規就農しようとすると、天候リスク、自然災害リスク、害虫リスク、そして多額の借入金と、個人として負わねばならないリスクが多過ぎます。法人の多角化、多地域化を進め、経営を安定化させた上で、給与所得者として雇用することにより個人のリスクを最小化して、若者の新規就農を可能にすべきです。

3.現状の延長線で、私たち若者の新規就農者を増加させることは難しいと考えます。若者の農業に対する理解、興味、関心が不足しており、大学生の職業の選択肢に農業はなかなか含まれません。小学生、中学生の時は農業に触れる機会が多かったにも関わらず、歳を重ねるごとに「食」に触れる機会が減少していきます。その結果、現在、農業の現場に日本人の若者が少なく、農業従事者の平均年齢は68歳(2019年度)に達しています。従来の「農作物生産の手伝いをする」という食農教育、食育教育(以下食農教育等)に留まらず、大学生が農業のマーケティング活動や生産の改善活動を担い、農業の付加価値を創造するような新しい食農教育等が必要であると考えます。私たちは、行政、農業に関する関連団体に対して、欠落している大学生に対する食農教育等の機会を増やし、そして提案型の食農教育等に取り組むことを提案します。

4.食料問題等に関心を持つ大学生は少なくありません。しかし、学んだこと、そして考えたことを提案する機会が少ないため、主体的に食料問題等を解決していこうとする意欲の向上に結び付いていません。私たちは、大学生の斬新な発想力と提案力が将来の日本、世界の食料問題等を変えることができると信じています。そのために、私たちも努力することを誓うと共に、行政、農業に関する関連団体、大学等に対して、大学生が食料問題等に関する提案を行う機会を増加させて頂くことをお願いしたいと思います。

アグリカルチャーコンペティション参加学生一同
2020年11月29日

 

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アグコンに関するお問い合わせ

アグリカルチャーコンペティション第5回準備委員会
日本大学商学部 川野克典研究室気付
TEL 03-3749-6711 MAIL

JA全中 全国農業協同組合中央会は「アグリカルチャーコンペティション2020」に協賛しています。
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