輸出拡大に向けたJAグループの挑戦

1.輸出拡大に取り組むJAグループの基本的な考え方

JAグループは平成27年10月に開催した第27回JA全国大会で農業者の所得増大、農業生産の拡大のため、輸出による新たな需要開拓を目指すことを決議しました。

輸出拡大に取り組むJAグループの基本的な考え方は以下のとおりです。

 

○ 農畜産物の国内市場が人口減少に伴い、需要の縮小が見込まれるなか、将来を見据えた、新たな需要開拓をはかるため、JAグループの組織をあげて、輸出拡大に挑戦します。

○ 日本産農畜産物を海外市場に拡大し、国際的に高い評価を販売価格へ反映させ、生産者の所得向上につなげていきます。

○ 輸出相手国の需要にこたえるとともに、産地間競争を回避するため、リレー出荷等により周年供給体制の整備をすすめます。

 

JAグループの輸出実績は、平成27年度は米・青果物・牛肉などで143億円となっていますが、これを平成31年までに年間輸出額を380億円(輸出先国の動植物検疫・衛生基準の緩和を前提として)に拡大することを目指しています。

 

 

2.JAグループが一体となった輸出取組体制の確立

全農は輸出先国の輸入動向、関税や検疫条件、消費者の嗜好・消費動向等のニーズについて徹底的な調査を行い、重点国・品目を絞り込んだうえで国・地域別輸出戦略を構築し、それに対応した生産戦略・販売戦略・輸送戦略などを策定しました。

 

この戦略を実践するため全農は今年4月より、輸出専任部署である「輸出対策部」を新設し、輸出事業の統括および産地指導・育成を行うとともに、輸出実務は子会社であるJA全農インターナショナル㈱に集約します。また海外においては、東アジア・東南アジア、北米、ヨーロッパを重点エリアと設定し、現行の海外拠点の要員拡充に加えて、中国、香港、台湾、タイで新たな拠点設置をすすめ、日本産農畜産物を海外で営業する体制を強化します。

 

JAグループはこの全農の新たな輸出取組体制を中核として、全中・農林中金・全共連がそれぞれ役割分担のもと連携を強化し、JA・経済連等の輸出を支援する体制を確立します。

全中は輸出先国の動植物検疫・輸入規制の緩和・撤廃に向けた働きかけ等の行政対応など、農林中金はメインバンクとしての全農グループ向け融資や事業提携先への出資サポートによる全農の販路開拓支援など、全共連は共栄火災の保険商品を活用し、輸出に係る賠償責任リスクを包括的に保障する海外PL(海外生産物賠償責任)保障制度を構築し、低廉な負担での保障を提供します。また独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)と提携し、貿易保険の提供を開始しました。

JA等がこのような取り組みに参画することにより、JAグループが一体となった輸出取組体制を確立し、日本産農畜産物の輸出拡大をはかります。

 

 

3.JAグループが一体となった輸出拡大の取組み具体策

(1)情報発信・相談窓口対応によるJA等の輸出取組のサポート

本日よりJAグループ共通ホームページ上に輸出情報を提供する新たなサイト(https://agri.ja-group.jp/export/)を開設し、輸出に興味・関心のあるJA等への情報提供を行います。このサイトでは、海外における食品の需要に関するマーケット情報や、輸出実務情報等の日本産農畜産物の輸出に関する情報発信を行います。

また全農は海外主要都市(香港・台北・ロンドン等)の小売店においてテスト販売用常設棚を設置し、JA等へのテストマーケティングの機会を提供しています。農林中金も国内外の国際食品見本市や海外小売店での実売会の出展機会の提供等を行っていますが、これらの実施状況や参加申込のご案内についても、ホームページ上で順次ご紹介することを予定しています。

さらにJA等から輸出に関する質問・相談全般をワンストップで受け付ける、よろず相談窓口「ワンストップ窓口」のページの開設を予定しており、輸出に取り組んでみたいJA等や、輸出を行っているが課題を抱えているJA等の輸出取組をサポートします。

 

(2)海外の需要に基づく商品づくりと新たな需要の掘り起こし

全農は販路の拡大や需要に応える商品づくり等を行うため、海外マーケット情報の収集を行います。具体的には、営業体制を強化した海外拠点を活用し、日本産農畜産物の需要が見込まれる小売店・飲食店・卸等への調査や、提携・出資・買収した現地の卸等の営業活動のなかで、現地の情報収集をすすめます。

また政府が設立を検討している新たな輸出プロモーション機関とも連携し、マーケットインの考え方に基づき、現地の需要にあった商品づくりを行うとともに、日本食の新たな需要の掘り起こし等に取り組み、輸出の拡大をすすめます。

 

(3)JAグループの連携による生産・供給体制の整備

国内においては、輸出先国で求められる商品づくりと販売先の拡大に伴う需要の増加に応えるため、JA等と連携し、生産体制の整備をすすめます。米については低コスト栽培技術や多収性品種を導入した輸出用産地づくり、青果物については輸出先国の残留農薬基準に即した防除体系等に基づく栽培を行う産地の開拓等を行います。

またJA等と連携して全国各地の産地からリレー出荷により品揃えを行い、海外での日本産農畜産物の産地間競争を回避しつつ、海外小売店の販売棚を確保する供給体制の整備をすすめていきます。

 

(4)物流コストの低減

物流については共同物流・混載輸送等による低コスト物流や、品質保持技術の実証・実用化を行い、効率的な体制の整備をすすめています。

 

 

4.JA等の積極的な参画による輸出拡大を目指して

JAグループは4月より全農の新体制を中核として組織をあげた輸出拡大の取り組みを展開します。具体的には、JA等へは輸出用産地やリレー出荷等への参画を提案するとともに、テストマーケティング機会の提供など、各JAが輸出を開始するための支援や、ワンストップ窓口での質問・相談対応など輸出における課題を解決するための支援を行います。

これらの取り組みにJA等が積極的に参画することにより、JAグループが一体となった輸出取組体制を確立し、輸出の拡大を目指します。

 

 

 

 


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