日本農業や、地域経済・社会の発展を目指すJAグループの自己改革の取り組み

JAグループでは、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、相互扶助の理念に基づき、消費者の皆さんへ安全・安心な国産農畜産物をお届けし、農業者の所得増大、地域の活性化を実現するため、様々な自己改革に挑戦しています。これからも、農業のさらなる成長を盛り上げていくため、一層スピードアップをして改革を進めます!




地域農業を将来に渡って持続的に発展させていくためには、意欲のある担い手農業者に農地を集めて、効率的で安定した農業経営を実現することが大切です。
JAでは、高齢化等で農地を貸したい農家と、規模を大きくして生産を拡大しようとする農家を結びつける相談窓口となり、農家の規模拡大や生産コストを下げるための挑戦を続けます。

農業者同士の助けあい組織であるJAは、スケールメリット(規模の経済)を活かした取引先との交渉に引き続き取り組みます。
特に、肥料、農薬、農機具などは業界の競争も激しくなっていますが、JAグループでは、物流の効率化や競合するお店の価格調査を行い、品質の良いものをより安く提供するなど、農業の生産コスト引き下げに挑戦します。

大規模化などに頑張っている農業者のニーズに応えるため、JAグループでは、肥料・農薬などの負担ができるだけ少なくなるよう支援します。
具体的には、肥料をまとめて購入したり、前もって予約された場合など、農業者個々の事情に応じて弾力的に価格設定します。

必要以上に肥料や農薬を使用しないことは、人間の身体や環境保全のためだけでなく、農業生産のコストを下げることにも繋がります。
JAグループでは、土壌診断やICTを活用して農地の健康状態を「見える化」、資源の無駄遣いを減らす取り組みを進める他、最先端の農業技術を導入し、労働力の省力化に挑戦しています。
(参考)第一弾:ICT導入のトマト栽培篇

農家の農業収入を増やすためには、安全・安心で新鮮な農畜産物の魅力を最大限発揮してブランド力を強化したり、付加価値を高めることが重要です。
JAグループでは、第1次産業(農業)、第2次産業(工業)、第3次産業(商業・サービス業など)のそれぞれの商品やノウハウを活用した「6次産業化」に力を入れており、100億円規模の「JA・6次化ファンド」を設立するなど、消費者の皆さんのニーズに応えた便利で魅力的な商品を開発します。
参考:JAが取り組む6次産業化

これからの日本農業は、国内だけでなく、世界へも目を向けることが必要です。
JAグループでは、魅力ある日本の農畜産物を世界の様々な国や地域にアピールするため、マーケティング拠点を作ったり、商談会を開催して米、野菜、果物、畜産、花など、あらゆるジャンルの国産農畜産物の輸出を進めています。現在、日本の生鮮農畜産物輸出額の約20%が、JAグループの輸出によって実現されています。
今後は、日本の農畜産物を提供する和食・焼肉レストランの海外展開や、輸出先の市場開拓や検疫基準の緩和を働きかけることで、年間輸出金額を平成24年度実績の38億円から10倍超へと増やしていきます。
参考:JAが取り組む輸出

ライフスタイルの多様化による外食や惣菜や弁当などの中食需要の高まりに見られるように、忙しい現代人の「食に対する意識の変化」に対応したマ―ケティング戦略が求められています。
全国のJAではこのような消費者ニーズに対応し、カット野菜工場を設立したり、デザインにもこだわった新商品を開発、またカフェ風の店舗を作るなど時代にマッチした創意工夫ある取り組みをすすめています。
また、インターネット通販会社と提携するなど、webマーケティングの分野にも力を入れています。

JAグループは、流通・加工・販売について様々なノウハウを持つ食品産業をはじめとする多様な産業界や行政、学識者などの専門家などと連携し、新しい発想も取り入れながら、国産農畜産物の魅力をさらに高めてゆきます。
2014年5月から、日本経団連との本格的な協力関係を結び、農業における生産、物流、加工、需要拡大の分野で具体的な連携に取り組んでおります

地域農業は、地域の農業者それぞれの助け合いに支えられながら成り立っており、多くの地域で「集落営農」という形での共同作業が行われています。
この集落営農は、個人が任意で集まる団体であることから、JAグループでは、意思決定の明確化や長期的な経営活動に必要な財源確保の円滑化、また、福利厚生の整備による雇用の確保などを実現するために、株式会社や農事組合法人等へ発展させる「法人化」の取り組みを進めています。

新しく農業を始めようとする場合には、栽培技術の習得や農地の確保、また、機械や施設に必要な初期投資など様々な不安があります。JAグループでは、行政などとも連携しながら、資金助成や研修制度などを設け、また、農地の斡旋、営農技術の指導、販路の紹介、資金提供などを行っており、初めての方でも農業に参入しやすくするためのサポートを強化しています。
参考:JAの新規就農対策

農業者の所得向上のためには、農業生産技術を高めたり、過剰な肥料・農薬の使用を抑えたりすることで、農業経営を効率的なものに変えていくことが重要です。
JAグループでは、農畜産物の販売データ等を提供して売れ筋の農畜産物の増産を促す「生産提案」や、省コスト化のための新技術を紹介するなど、儲かる農業を目指した農業経営のコンサルティングを行っています。
さらに、最先端の情報通信技術(ICT: Information and Communications Technology)の導入にも力を入れており、気温や湿度、日照量などをはじめ、農地の面積や栄養状態などの農業生産に必要な様々なデータを「見える化」し、最先端の農業に挑戦しています。
(参考)データを活用したコンサルティング

高齢化や担い手が不足する地域においては、農地の受け手がなく、JAに農地管理や農業経営を依頼するケースが増えています。
このため、JAは耕作放棄地等を活用した農業経営や担い手農業者のための収穫作業の支援など、生産面でのサポートを行っています。
参考:JAが行う耕作放棄地対策

情報化の進展や技術革新など、経営環境の変化に対応し、JA経営における意思決定の迅速化が求められています。
JAグループでは、事業の性質に応じた特別な意思決定プロセスを設けるなど、時代の変化に迅速に対応することのできる体制作りを進めます。

JAは農業者が中心となって創られた組織ですが、地域の実情にあったJA経営を行うためには、准組合員や地域住民の意見を取り入れるとともに、様々な分野の専門家の意見を聞いていくことが極めて重要です。
JAグループでは、専門的な知見を有する有識者の経営参画をすすめます。

農業・地域の活性化のためには、女性ならではの意見も取り入れた経営戦略づくりが重要であり、そのための体制づくりが急務です。
JAグループでは、管理職層や経営層への女性の登用を積極的に進め、女性の意見をJA経営にさらに取り入れていきます。